手首を耳に宛てると血流を感じた




今日も 独りぼっちだった。
話し相手がいてくれたらな、と何度も思った。
今の私には 見方になってくれる人なんか一人もいない。



話し相手が欲しくて
話し相手が作れない自分が憎くて
さびしくて
つらくて



暖かいものが欲しくて 何も考えず手首を切った。
死んだら 楽になれるかなとかそんなんじゃなくて。
ただ 自分が生きていることを感じたかった。



初めて 手首を切ったとき
軽い痛みと 重みを感じた。
暖かい 紅色の液体を見たとき
ドクドクと波打つ自分を 凄く 愛おしいと思った。



死にたくなんかない
私は まだ 生きていたい。
それでも 温かみを感じたかった。
私 という名の 暖かさを。



手首に耳を宛てると血流を感じた。
暖かく 波打っていた。
今私はここに存在している。
誰にも認められなくても それでも私は生きている。



私が認められるまで
生きることを 諦めない。
私に流れる血流を 私は永遠に守り続ける。