意地悪な魔法使い 2




僕が消えるべきなのは解っているのです



綺麗な貴方との引き換えに 僕は魔法使いから邪心を頂きました

その邪心は 美しいまま貴方を殺せと僕に云いました

美しい肉体からあふれ出る美しい朱を拝みたいとさえ思いました


ただ僕に残っていた僅かな貴方への恋心が

その邪心を蹴散らしました

貴方を殺すのならば僕が死んで見せましょう

綺麗ではないが 見事な朱を描いて見せましょう

魔法使いに 願いました


貴方に嫌われる前に

僕という 存在を 消そうと


美しい寝顔の貴方に 軽く口付けしたその夜に

貴方の美しい目からは泪が零れるのでしょうか

その相手は


どうか僕になってくれないでしょうか