僕が消えるべきなのは解っているのです 綺麗な貴方との引き換えに 僕は魔法使いから邪心を頂きました その邪心は 美しいまま貴方を殺せと僕に云いました 美しい肉体からあふれ出る美しい朱を拝みたいとさえ思いました ただ僕に残っていた僅かな貴方への恋心が その邪心を蹴散らしました 貴方を殺すのならば僕が死んで見せましょう 綺麗ではないが 見事な朱を描いて見せましょう 魔法使いに 願いました 貴方に嫌われる前に 僕という 存在を 消そうと 美しい寝顔の貴方に 軽く口付けしたその夜に 貴方の美しい目からは泪が零れるのでしょうか その相手は どうか僕になってくれないでしょうか |